師立ち止まり、今を味わう。 | ひとりごと | 心理カウンセラー 衛藤信之 | 日本メンタルヘルス協会

えとうのひとりごと


■師立ち止まり、今を味わう。
2008年12月9日



 冬の光が暖かく感じることがあります。窓から射して来る冬の陽のほうが、夏の熱い太陽よりも温かみを感じとれます。だから、その光に誘われて、外に出ると、錯覚だと思って部屋に舞い戻ります。
 
 愛情に飢えている時のほうが、少しの優しさに胸を打たれます。心が冬の時には、ほんの少しのやさしい言葉にも感謝できるのかもしれません。

 失って初めて知る、そのものの価値があります。健康も、若さも、愛も、身近にある優しさも・・・・・

 だからこそ、僕たちはこの瞬間にあるものを味わいつくさないといけないのでしょう。
 「今、ここ」のすべてを・・・・


    最後だとわかっていたなら
  作:ノーマ コーネット マレック 訳:佐川 睦

  あなたが眠りにつくのを見るのが
  最後だとわかっていたら

   わたしは もっとちゃんとカバーをかけて
   神様にその魂を守ってくださるように
   祈っただろう

  あなたがドアを出て行くのを見るのが
  最後だとわかっていたら

   わたしは あなたを抱きしめて
      キスをして
    そしてまたもう一度呼び寄せて
      抱きしめただろう

  あなたが喜びに満ちた声をあげるのを聞くのが
  最後だとわかっていたら

   わたしは その一部始終をビデオにとって
   毎日繰り返し見ただろう

  あなたは言わなくても
  わかってくれていたかもしれないけれど

  最後だとわかっていたら

   一言だけでもいい・・・
     「あなたを愛してる」とわたしは 伝えただろう

  たしかにいつも明日はやってくる
  でももしそれがわたしの勘違いで
  今日で全てが終わるのだとしたら、

   わたしは 今日
     どんなにあなたを愛しているか 伝えたい

  そしてわたしたちは 忘れないようにしたい

  若い人にも 年老いた人にも
  明日は誰にも
  約束されていないのだということを

   愛する人を抱きしめられるのは
     今日が最後になるかもしれないことを

  明日が来るのを待っているなら
  今日でもいいはず

  もし明日が来ないとしたら
  あなたは今日を後悔するだろうから

    微笑みや 抱擁や キスをするための
     ほんのちょっとの時間を
       どうして惜しんだのかと

  忙しさを理由に
    その人の最後の願いとなってしまったことを
       どうして してあげられなかったのかと

    だから 今日
      あなたの大切な人たちをしっかりと抱きしめよう

  そして その人を愛していること
  いつでも いつまでも 大切な存在だということを
  そっと伝えよう

  「ごめんね」や「許してね」や
  「ありがとう」や「気にしないで」を 伝える時を持とう


    そうすれば
     もし明日が来ないとしても
          あなたは今日を後悔しないだろうから



 すべては終焉(しゅうえん)を迎えます。
 子育ても、子どもが巣立てば終わります。夫婦も相手が、他界すれば終わってしまいます。仕事の役割も、定年退職をもって終わるのです。青春の価値は終わって初めて知ると言われます。

 お母さんと平気で呼べていた時と、お母さんと呼ぶ人がいなくなった時の、「母さん」という響きは何だか、さびしくて重いものです。

 だから、誰かの名前を呼ぶ時、少しでもその心地よさが感じられたらと思って生きています。

   職場で仲間の笑顔を見るたびに・・・・
   家族の何気ないリビングの一コマを・・・・
   愛する人の何気ない会話を・・・
   移りゆく、季節の瞬間を・・・
   今という時の、何気ない一瞬を・・・

 そして、今のあなたを。それが神様がくれたプレゼントだから・・・・今のこの瞬間は英語でPresentでしたね。

 そして、人だけではなく、もどらないこの瞬間の時間に頬ずりできれば・・・・僕たちは、人生を味わっていると言えるのではないでしょうか。


 世界を見る時に、今、目に映るすべての中に、奥行きを感じられたら。この手の平の細胞一つ一つにも奇跡の機能があって、僕たちは生きています。

 愛する人の肌の温もりの中に、その人が生きてきたであろう人生の出会いと、歴史を感じることができたら。スキンシップは、互いの自分史の交換なのだと想う。

 生きるとは、ただ、何気なく生きることではなく、感覚をとぎすまして活きることであり、すべての五感の活性化をうながすことなのだと思う。五感の感覚を鋭敏に目覚めさせる。そのクリアなセンサーで、人や自然に出会う。

 今、この瞬間の戻らないこの時に出会う。それは、味わうことなのだ!

 今日、あなたは活きていますか?目に映るすべての世界の奥行きを見ていますか?観るというのは、平面で見るのではなく、3次元の立体として見る。そして、その背景にある目には見えない“縁”を4次元で感じることなのかもしれません。

 冬の一日は、長い一日。だからこそ、そんなことを感じる機会かもしれませんね。

 師走に入りましたが、師歩く、師止まる、師味わう。そんな月でありますように・・・・ムリかなぁ。スケジュール帳を燃やさなきゃ・・・・














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