彼は汚水の風呂の中に頭をつけられても「ごめんなさい。ごめんなさい。」と言うしかなかった。彼の弟も、やはり自分がいじめられる恐怖におびえながらも「ごめんなさい。お兄ちゃんを許してください。」と父親に兄の許しをこうしかなかったのだろう。自分の無力さを恨みながら・・・・・
意識のない君が、今度目を覚めたら世界が変っていればいいのに・・・
僕たち大人達を許してください。君が寒空の中に立たされている時にも、きっと、僕は暖かい部屋で笑っていましたね・・・・・そんなことに気づく日は・・・自分が、この世界が、嫌いになります。
君が、通りがかったおばさんに「寒くないかい。シャツ一枚で立っていて」と自転車置き場で問われた時に「大丈夫です」と応えた君は、なぜ、「僕は殺される」と言わなかったの?それほどに親が君を殺すとは思わなかったの・・・それとも、そんな親でも無意識に、君はかばったのですか・・・・
僕たち大人を許してください。こんなにも日々の中で、大人達は、ちょっとしたことに弱音を吐くのに・・・・「もう、死にたいと・・・・」君みたいに戦ってもいないのに・・・・
生きたい君達と、死にたい彼らが、この世界には同時に存在しています。
愛されている日々にどっぷり浸りながら、「死にたい」と、嘆き生きている彼らと、地獄の中にいながら、愛を信じている君らが、同時進行でこの世に存在していることを・・・・
こんな日は、僕も、世界も、すべて消えればいいと投げやりな気分になります。自分の中にもどうしようもない無力さを感じて。すごく心が疲れてしまいます・・・・でも、生きてください。お願いだから。
君が目覚めた時には、きっと世界は変っていることを信じて・・・・
・・・・そうですね。言われなくてもわかっています。努力することが大切なのも知っています。自分からやれる事を・・・・とも思うのだけれど・・・・。
でも、今日は君と同じように、この世界を忘れて僕も眠りたい。明日、世界が変ればいいのに。
誰か僕を悪夢から覚ましてくれませんか・・・・・
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