「桜カウンセラーのところへ」 | ひとりごと | 心理カウンセラー 衛藤信之 | 日本メンタルヘルス協会

えとうのひとりごと


■ 「桜カウンセラーのところへ」
1999年4月4日
 桜の季節。
日ごろ見慣れた景色を、別世界へと変えてくれる。
 迫ってくるような存在感。自然の中にある色彩のパワーの奥行を見せつけているように。

 いつもこの季節に君がいたんだね。忘れないで訪ねてくれる友人のように。
君との思い出は、子供の時の小学校の入学式。真新しいランドセル。フルーツの香りの消しゴム。君の下を母に手を引かれ歩いたね。

 あるときは、ままごと遊びにライスの代わりに、君の花が食卓を飾った。初めてもらった好きな子からの手紙にも君の花が入れてありましたね。
 もちろん君が訪ねてくれたのに、記憶に残らない年もありました。ごめんね。でも年々、君の存在がまぶしく見えます。また一瞬一瞬を大切にしなければいけないと感じるようになりました。

 どれほどの自然の色を見落としながら私たちは生きているのでしょうか。心配しているとき、怒っているとき、恨んでいるとき、競争しているとき、自分が嫌いなとき、そんな数々のときにも
 あなたたち自然はそこにいる。そんな瞬間も、あなたたちは、人にほほ笑んでくれているのに。
 どうして気づかなかったんだろう。そう、あなたを見て、その瞬間にもこころなごんでいる人もいるのに。
 自然と会話できるとき、人はこころが健康なんですね。

 いつもいつも感じていたいです。あなたたちを。そんな年をかさねるよう。そんな日々を増やせるよう。そんな瞬間に、いつも心が自然の中の、ほほ笑みに気づくように僕も早くなりたいです。

 自然は理想的なカウンセラーなのですよ。
      明日、晴れたら訪ねませんか忙しくないあなたのカウンセラーへ

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